「正論」が幅を利かす社会は息苦しくなる

おはようございます。野本です。
早起きして原稿書いてたら、びっくりする記事が目に入ってきました。

「早起き」すると寿命が縮む!オックスフォード大学の研究で判明~心筋梗塞、脳卒中、糖尿病のリスクが倍増

先日、オックスフォード大学の研究で、「早起きが体に悪い」という結果が出て、
話題になってるそうです。汗

朝食は重要は嘘だった、という話もありますね。

「朝食が重要」はウソだった:研究結果

1 「正論」が時代に合わなくなってきてる

こんな風に、最近今まで「正しい」とされてきたことが、簡単にひっくり返ります。
これらの研究結果だって、また覆されるかもしれませんねー。

私が子供の頃の給食は、牛乳とマーガリンが定番でしたが、
今や体に悪いのではないかと議論になっています。
小さい頃に処方されていた喘息の薬は、大方否定されてしまいました。

マレーシアで大人気のUberやAirBNBだって、
一昔前なら「白タク」「違法旅館」なわけで、正しくないこと、なわけです。
国の決めた法律を守らなくていいんじゃないの、と考える人が増えてきたのだと思います。

日本では不倫はいけないこととされてますが、
ここマレーシアには二人の奥さんを持つ人もいますね。
日本にだって、そういう時代がありました。

つまり何が言いたいかというと、
正しさって、時代によって、場所によって変わります。
教育に関しても正解が一つである、と教えるのは、
そろそろ時代に合わなくなってきてるんですね。

2 正しさは、どちらの方向から見るかによっても違う

「Wonder」といういじめをテーマにした米国の小説では、
最初の方にジュリアンという嫌ーーないじめっ子が出てきます。

ワンダー Wonder

ところが続編では、このいじめっ子の視点から物語が展開し、
実は大して嫌な奴でもなかったことが明かされてしまいます。

続編はこちら(英語のみ)
Auggie & Me: Three Wonder Stories

これを読んで子供はショックを受けるわけですが、
「正しさ」なんて立場や与えられる情報によって
大きく変わるんだなーと理解します。

この小説には「正しいことをするか親切なことをするか迷ったら、
親切な方を選ぼう」という言葉が出てきます。
子供の学校ではこの本を教科書に使って、
ついでに道徳教育をしていたようですが、
これ素敵だなと思いました。

3 正しさは曖昧だけど、親切は普遍的

正しさは曖昧だけど、相手に気持ち良くなってもらおうと行う親切って、
結構普遍的です。

マレーシアではこれが自然に行われていて、
公共の場所やレストランなどで「親切にしている人」を見かけます。

隣のテーブルで写真を撮っていたらさりげなく手伝ったり、
物乞いの人が回ってきても、あれこれ考えず寄付をする人がいます。

宗教の力が強く、おかげで、社会の居心地が良いのです。

日本人の私は最初正論を振りかざして、
あれこれ損をしていた気がしますが、
こっちの人は「他人に親切にすると良いことがある」と考えています。

昔の日本人も「情けは人のためならず
(人に親切にすれば、その相手のためになるだけでなく、
やがてはよい報いとなって自分にもどってくる)といってました。

ところが最近では、「親切にするのは他人のためにならない」と誤用されてますね。

ここでは「用語が正しくない!」と誤用を糾弾したいのではなく、
昔の日本人も結構良いこと言ってたなーと思うわけです。

今の日本では、寄ってたかって「正しくない人」を糾弾する動きが多いですが、
完全に正しい人なんて、多分存在しないですよね……。
違法残業したり、経費で飲食したり、未成年で飲酒した人なんて、
ゴロゴロいるはず。

つまり今の日本では、誰でもいつでも袋叩きにあう可能性が高いってことです。
これ、息苦しいですし、何より恐ろしい社会です。

そろそろ、ゆる〜い東南アジアに倣って、
他人に親切にする社会に移行したら良いなと思います。

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