会社辞めたいけど、世間にどう見られるかが怖い人へ
こんなご相談をいただきました。
会社を辞めたいけど、周りにどう見られるかが怖い。
一つのことを投げ出さない、続ける美徳みたいなものが、多くの人々の根底に根付いていると思います。
なるほど……。
やめたら、周囲になんか言われる。
「無職なのね、かわいそうに」という目で見られる。
そんなところでしょうか。
特にずーっと学生→企業とレールに乗ってきた人、
周りから「すごいね」「えらいね」と言われてきた人ほど、レールからの降り方を教わってないんですよね。
いやわかります。
私も最初の会社を辞めるときは「技術がないのにやめてどうするの?」「ここより給与がいいところはないよ」とさんざん言われてきました。
実際、彼らが言っていたことは当たっていました。
転職活動は大苦戦で、えらい時間がかかりました。
お伝えしたいのは、
1)転職回数はそのうち気にしない社会になる
2)周りの目を気にしないようになると楽
の2つです。
1)実は日本の転職回数は平均2.8回
時代は「ジョブ型」に動いていくので、転職回数を気にしない社会になっていく
同じ日本の会社でも、転職回数、気にするところは気にしますが、気にしないところは気にしません。
パーソナル総合研究所の国際比較調査の結果を見ると、日本だって、実は転職回数は平均で2.8回です。転職経験がないのは3割で少数派です。
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日本は平均回数は2.9回と高い一方で、転職経験なし(0回)が3割存在し、二極化傾向。 非正規雇用が多いことが日本の転職回数を増やしている要因の一つと考えられる。
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前者はおそらく、応募者の「忠誠心」が気になるんだと思います。
「うちの会社のメンバーになったら、できるだけやめないでくださいね」というマインドセットなのです。
転職回数が多い人と、「忠誠心」を求める会社は多分相性が悪い。
しかし問題は、この「忠誠心」がいくらあっても、企業が「いらない」と言い出す時代がもうすぐ来るかも、ってことです。
サントリーの社長が先日「45歳定年制」を言い出して批判されました。
実はあれ、多くの企業の本音だと思っています。
なぜなら経団連でも「ジョブ型雇用への移行」を言い出しているからです。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO68507750W1A120C2EA1000/
もう1つは、長寿化と労働年齢の高齢化です。
定年が60歳から65歳に延長されたりしていますが、今後もし平均寿命が120歳くらいまで伸びたら、80歳くらいまで働く人も出てきそう。
そのとき、80歳まで1つの会社にいるのは現実的でしょうか?
私がいるマレーシアではすでに「ジョブ型雇用」が主流なので、サクサク転職する人が多いです。パンデミックが終わってみたら、周囲のみんなの会社が大体変わっていたーーなんてこともありました。
2)周りの目を気にしないと楽になります
私がいくつか転職して分かったこと。
「周囲のアドバイスはほとんど害にしかならない」ことでした。
もちろん、中には有益なものもあったでしょうが、私が就職した頃は「ITなんて辞めておけ」という人ばかり。
1990年に今のIT時代を見通せていた人はほとんどいませんでした。
未来予測なんてそんなもんだな、と私は学びました。
そして今、したり顔で未来予測している人(私も含め)も多分たくさん間違えるし、未来予測を外すと思います。そのときに、「責任を取ってくれ」と言っても無理です。自分の人生の責任は誰が取るのか? を考えたら、結局のところ、自分で判断するしかないのです。
マレーシアでは辞めること自体が悪と捉えられてないです。
上記の調査の「転職に対するイメージ」を見ると、
——全14ヵ国・地域でポジティブなイメージ。「総合的に見てよい」「成長につながる」「キャリアアップ」「スキルアップ」が7割以上。ただし、中国と日本では「できれば避けた方がよい」が4割超。
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周りの人の職業なんて気にしてない人が多いです。
そこまで周りをガン見してないのです。
参考になれば幸いです。