世界の最先端教育は適性把握に向かう

こんにちは。マレーシア在住6年目になる野本です。

子供の教育のためシンガポールに移住した元政治家の田村こうたろうさんが最近ご自身のフェイスブックで、
「世界の最先端教育は間違いなく適性把握に重きを置き始めています」と書いていました。
適性把握というのは、適性や好きなことを早いうちに発見・把握する、ということですね。

以前から疑問だったことが、私の中で最近つながりつつあります。イギリスの名門「エプソム・カレッジ」で「もう長時間机に向かって勉強する時代は終わった」と聞いて以来、では、新しい世界の教育はどこに向かっているのだろう?と不思議でした。

この学校はクラブ活動を非常に重視しており、多い子だと週に10種類もの活動をさせ、それを毎学期変えさせます。
一つのことをずっとやる日本とは真逆なのです。
一体何のためにそんなことをするのだろう? と思っていました。

エプソム・カレッジを1泊体験した子供も、この学校が適正把握に向かっていることを感じたようです。
「美味しいか美味しくないか、なんでも一通り経験させ、やりたいことを見つけさせる教育だと思う」と話していました。
https://wakuwakuijyu.com/special/vol02_4.html

自分探しは「早い方がいい」

日本だと受験勉強にエネルギーを取られ「自分探し」が大学半ばの就職活動から始まります。

マレーシアでは少し早く適正把握が始まっています。
「とりあえず」大学に行くという人は少なく、大学入学時には将来のビジョンがある程度決まっている人が多いです。大学でも事業計画を作ったり決算書類を作ったりと、かなりビジネスに近い学びをしています。

実際に今子供の学校でも、
・物をプロデュースして値段をつけて売る(儲けを出す)
・タレントコンテストで、観衆の前で自分をアピールする
・少人数のグループでリーダーシップをとり問題を解決する
・コンピュータのプログラミングの基礎を学ぶ
・パワーポイントを使ったプレゼンで相手を説得する

など、小学生から適正把握のためなのかなーと思うような授業があります。

最近では国際理解の授業で、国際ニュースを毎週要約させ、
自分自身の考えとともに発表する宿題が出ています。
子供はイラクや北朝鮮のニュースなどを理解するようになりました。
これ、まるで私の仕事と同じなので焦りますね。

シンガポールだと3歳くらいから適正把握に向けた取り組みを始める学校もあるそうです。
子供自身も「適正把握は早い方が良いと思う」と言います。
なぜ?と聞くと、
「年齢が上がれば上がるほど、プライドが高くなる。また年齢が高い子どもほど、成果を褒められにくくなり、モチベーションをあげにくいから」と。
子供ならではの視点で面白いですね。

私自身、就職してから大間違いに気づき、間違った方向に努力した時間が無駄だったなと思います。

高級インターほど勉強させない真の理由

そんなわけで、マレーシアでは、高級インターになればなるほど、「体験の数を増やし」「出会う人の数や種類を増やす」という方向の教育になっています。しかし親の側がこの流れについていけず、「宿題が少ない!」「もっと勉強させて」と学校にクレームを言うケースもあるんだとか。
暗記には重点を置いておらず、考えることや、ディベート、ポスター作り、ボランティア活動なども多く、一見「勉強しているように見えない」ため、親の側は焦ってしまうのです。

一方で、以前からのインターほど、たくさんの宿題を出し、机の上での勉強を重視しているところが多いです。
親が従来からの教育を求めているという事情もあるようですよ。中華学校などにもそういう学校が多いですね。

今は、伝統的な知識偏重型の勉強から、適正把握を中心とした新しい教育への過渡期なのでしょう。

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