インターナショナル・スクールに入っても英語がうまくならないわけ

 

こんにちは。マレーシア滞在6年の野本です。

お子さんの留学のためにマレーシアに来られる家族が増えています。
共通する悩みが「英語ができるようにならない」ということです。

マレーシアの英語は欧米に比べ簡単と言われますが、日本人はその平均レベルにすら、
ついていくのが難しいのです。

学校=英語学校ではないのです

英語ができない子のためのESLクラスを持つ学校があります。
ところが、このESLクラスだけでは不十分なんですね。

想像してみてください。
日本語が全くわからない外国人のお子さんが、いきなり日本の中学校に入って来ました。「アイウエオ」からしてわかりません。
……。
一日数時間の補習で、日本の中学生の授業にいきなりついていけるでしょうか?
難しいですよね……。

語学の勉強には浸る量と環境が必須です。

小学校低学年ならともかく、中学生にもなると、語彙も圧倒的に増え、内容も難しくなります。
例えば中学一年生で、ローマ帝国の興亡の歴史を学んでいます。ここまで理解するには、
学校のESL任せでは、かなり厳しいです。
ある学校などは、「我が校のESLでは不十分、塾にいくなり、フィリピンの学校にいくなりしてください」と断言してます。

だから私は英語「だけ」を目的にされる方にはフィリピンの語学学校などをお勧めしてます。
それも読み書きが目的なのか、会話が目的なのか、目的をはっきりしていくのが良いと思います。

学校は読み書きを教えるところ

学校で教えるのは「会話」ではなく基本的に「読み書き」です。

もちろん、IBや英国式ではディスカッションやプレゼンなどをやりますが、
それでも、基礎になるのは読んだり書いたりする力だったりします。
IBでは特にたくさんの論文を書きますから、書く力(=読む力)は必須です。

そこがごっちゃになっていると、いきなり先生から、「綴りをきちんとできるようになってください」と言われて面食らってしまいます。
「綴りはいいから、英会話を」というのは、
日本の学校で「漢字はいいから、会話を教えてください」と言ってるのと同じですよね。

もちろん、なかには、学校だけでできるようになってしまう子だっています。
そういうお子さんを見ていると、日本人との付き合いを絶ったり、あえて英語のものだけを読んだり、工夫をしていることが多いです。

ところが通常、学校に日本人がいれば日本人同士で集まり、日本語の漫画を交換して、
日本語のyoutubeや歌を楽しんでしまいます。これだと英語に触れる時間はいよいよ減ってしまいます。留学生がダメになるパターンも同じですね。日本語の引力は思っているよりずっと強いです。
・・・・・

ではどうするか。
遠回りのようですが、一番良いのは、親も英語を勉強することだと思います。

すると、

・読書力をつけるには、量を読まねばならないこと
・授業で読む量だけでは不十分なこと
・読めないものは書けないこと
・興味を持てないものを読んでも頭に入らないこと
・興味を持つためには環境(英語を話す友達)が重要なこと
・「学校」はきっかけに過ぎないこと

などなどが、おぼろげながら、わかってきます。
すると、何をどうサポートしたらいいのかが、具体的に見えて来ます。
(結局のところは本人がやるしかないんですけどね……)

何より、親が英語を勉強して初めて「英語の必要性」が子供にも理解されるんじゃないかな。
親自身が学ばなければ、実は親自身の英語は必要ないという本音がバレてしまいます。
必要じゃない勉強なんて、やる気しないですからね。

私も世界を広げるには英語があったほうがいいと思ってる一人です。
なくてもいいけど、できたらもっと楽しくなる。
より円滑なコミュニケーションを目指して勉強しています。

そんなわけで、ラマダン中で色々と物騒な中ですが、私もフィリピンで勉強して来ます。

ーーーー
他の海外生活ブログへ
にほんブログ村 海外生活ブログへ
にほんブログ村

今までの記事を順番に読みたい方はフェイスブックページ をみてください。

東洋経済オンライン連載記事のリンクです。

http://toyokeizai.net/category/malaysia

★マレーシアの教育環境について、良い点悪い点率直にまとめました。電子書籍版です。

マレーシアの学校の○と× アジア子連れ教育移住の第一歩

★マレーシアに車なしで住むノウハウをまとめてみました。電子書籍版です

車なしでマレーシア生活

★フェイスブックで日本にいながら国際交流する方法を書いた書籍(角川書店から発売)です。私はこうしてマレーシア人をはじめ、フィンランド人、香港人などと友情を育んできました。

Facebookで起こる人脈構築革命

★2011年に書いたフェイスブックの入門書。書籍を出版できたのも、マレーシア人のおかげでした。マレーシア人のフェイスブックの使い方についても触れています。

いいね! フェイスブック (朝日新書)

(スポンサーリンク)