図書館だけでは学べない時代がやって来た

教育

こんにちは。野本です。

マレーシアのインターナショナル・スクールには、教科書を使わないところが少なくありません。あるIBの学校では「書籍は出版された途端に古くなるので、基本使いません」と言っていました。

出版社で雑誌を作っていた私、活字大好きです。ですが、これ、最近実感しつつあります。

一時帰国の時、子供と図書館に行きました。
ところが、彼が今、ホームスクールで学んでいるような人工知能や数学、最新の科学、仮想通貨などの本は、実に少ないんですね。新刊やムックの情報が有効である期間が、極端に短くなって来ています。私自身も5年前に本を出版しましたが、書いてあることはもうかなり古びてます。
そう。時代の移り変わりが激しすぎて、本で何かを学ぶことが難しくなって来てるんです。

では、文学ならいいだろう、と思って子供と「怪盗ルパンシリーズ」の復刻版を読んで見ました。
衝撃を受けたのは、そこにある「日本語」の古さ。
昭和の日本語と平成の日本語って全然違うんですね。
「これどういう意味」ってなんども聞かれました。

最近、子供が「嬉しみ」とか言い出して、「そんな日本語ないでしょ」と言ったら、
流行り言葉だったみたいです。
あああ……。

現代の紙がiPad、講義はYoutube

子供の学習を見ていると、彼の数学や物理の知識はほぼWikipediaと動画から。知識は圧倒的に動画の方からが多いようです。本も読みますが、それもKindleが多い。

子供の通うSTEM学校ではYoutubeなどの動画を駆使して教えています。
今や、世界中の数学者や科学者が、自分自身で動画を作って公開してるんですね。
学校のは講義するというより、コーチングに徹しています。

「動画の授業の方が、ミスも無駄もなく、クオリティが高い」と子供は言います。
そういえば、以前の学校でも動画を効果的に使っていました。

多くの欧米の大学が無料で授業動画を公開しています。
正直、動画が苦手な私には理解し得ない発想です。

日本語がうまいマレーシア人も、Youtubeで日本語学んでる人が多いです。
ただ、アニメだと「先生ハラヘッター」になっちゃうので、私ヒカキンを勧めてます。

最近、子供から言われた衝撃の一言があります。

「おかーさんはそもそもYoutubeがどうなってるか理解できてないでしょ。その世代がパソコン見ないで本読めっていうのって、江戸時代の人が現代に来て巻物を読めって強制するのと変わらないんじゃないかな」
と。

がーん。
江戸時代……。
巻物……。

でもそうかも。彼の先生にも「お母さん、iPadは現代の紙だと思ってください」って言われちゃいました。

ほんと親世代にできることは、あんまりありません。
子供にはとりあえず自己肯定感と自分で探索する力をつけ、あとは自由にやってもらった方が良さそうです。

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