マレーシアに日本よりクレーマーが少ない5つの理由

こんにちは。
マレーシア在住4年になる野本です。

日本ではクレーマーへの対処が大変そうですね。
サービス業の人は大変だろうなーと思ってしまいます。

マレーシアではクレーマーは少ないです。
その理由の一つに、
マレーシア人がびっくりするほど怒らない、
というのがあると思います。

以前、ジョホールバルの空港で、ヘイズのため、
飛行機が6時間も足止めになったことがありました。
ところが、誰も怒り出したりイライラしたりしないのです
空港のラウンジが開放され、知らない人同士でのんびり名刺交換。
実に和やかな雰囲気でした。

レストランのランチタイムで、突然スタッフが全員消えてしまい、
料理どころか会計もできなくなり、
30分以上待たされたことがありました。

一人戻ってきたスタッフが「すいません、みんなどっか行っちゃってー」
と謝ったんですが、ビジネスマンたち誰も怒らない
「しょーがないねー(笑)」って言って、別の店行ったみたい。
なんだろ〜。
全部最後に(笑)がついてる感じなんですね。

ジムで遅刻常習犯のヨガの先生。
先週も30分もクラスに遅れてきましたが、誰も怒らない。
彼女が遅刻することはみんな想定内なんで、
登場すると拍手が起きたりします
もう3年、こんな感じです。

なんでこんなに違うのでしょうか。

1つしかない駅の切符売り場にて。「トイレに行くので席外しますー」トイレじゃ、仕方ないですよね?

1つしかない駅の切符売り場にて。「トイレに行くので席外しますー」トイレじゃ、仕方ないですよね?

1 サービス業従事者に対して無礼な人間は嫌われる

調査によれば、レストランでマレーシア人が「最も嫌う」ことは、
ウエイターに無礼な人」なんだそうです。

超訳
回答者たちに聞いたところ、食事時に最もいただけないのは、
ウエイターに失礼な態度をとる人で、圧倒的に多かった(40.7パーセント)。
Malaysians hate it if you’re rude to the waiter
When we asked respondents about what they find most unacceptable at the dining table, we received an overwhelming response on being rude to the waiter (40.7%).
(出典)
http://cilisos.my/guess-how-many-cheated-on-their-bill-8-interesting-things-about-msians-dining-habit/

礼儀正しくフレンドリーな人が多いマレーシア人だけど、
なかには横柄だったり感じの悪い人もいるんですよ。

でもね、そういう人は軽蔑されちゃうんです。
ジムの友人には「掃除の人には親切にすることよ」と教えてくれました。
中にはあからさまに無礼な人がいて、陰で評価を下げています。

2 他人に怒りを見せるのは良くないと思われている

他人に怒りを見せることも、よくないことだと思われています。
特にマレー系の人たちの間では宗教的にもNGなのだとか。
だから、人前で他人を叱ったりするのは良くないのです。
日本と逆ですよね。

もちろん、中には良く怒る人もいます。
以前お手伝いした中華学校の指揮者の先生が、
ギャンギャン怒鳴るタイプの人だったのですが、
参加者の一人(中華系)が、
「古いタイプの中華学校の先生はあんな感じ。
あれしかコミュニケーションの方法を知らないの」
とこぼしていました。

以前、シンガポールに行ったら、
やっぱり中華系ガイドがギャンギャン怒鳴っていて、
一緒にいたインド系と中華系マレーシア人
「こわ〜い」「品がない」と引いてました。

3 そもそも他人をそんなに見ていない

他人に対する要求レベルもそんなに高くありません
他人をそんなに見ていないというか、
いちいちあーだこーだと評価しないんですよね。
携帯いじってる店員さんがいますが気にする人は少ないです。

クレーマー

電話回線販売中ー

最近マレーシアの日本人経営者サイドからたまに耳にするのが
実は日本人を相手にするよりも
ローカルを相手にした方が楽なんです

という言葉。
電機メーカーの社長さんも同じことを言っていましたが、
実感がこもっています。
その代わり、従業員怒鳴るとやめちゃいますけどね….。

4 上下関係で人間関係を捉えていない

人間関係がフラットなので、店側とお客さんが友達みたいです。
お客がお店の人を呼ぶときにもなぜか「 Hi Boss!」と呼んだりします。
馴染みの不動産屋さんは、契約が終わった途端、
「じゃ、これから私とあなたは友達だから」と言って、
本当に友達になってしまいました。
もちろん、これが原因でトラブルになることもあるのですが、
大抵はとっても助かっています。

5 正しいことより、親切なことをする

宗教がバラバラなので、いろんな正義があって、
それぞれの領域に踏み込まないマレーシア。
だから、「正しいこと」よりも、
「他人に親切にすること」が広く行われています。

マレーシア人は、「見知らぬ他人に親切にする率」が統計でも一番高いのだそうです。
(参考)
見知らぬ人を助けるマレーシア人 、助けない日本人ーー他人を助ける指数で日本が世界ワースト3位な理由

マレーシアにしばらく住んでいると、
日本人は「正義」「正しいこと」にこだわって
いつも戦ってるように見えます。

私もそうで、来たばかりの頃は怒ってばかりでした。
「アングリーバード」というあだ名までつけられてしまいました。
最近は修行の成果か、他人に対して寛容になりましたね。
怒りは人間関係を断絶させるなーとつくづく感じます。

正義の争いをやめて「親切にすること」にこだわってみたら、
案外居心地良くなるんじゃないかなーと思ったりします。

まとめ

20年前からマレーシアに来るたび、
「人々の顔が明るいのはなぜだろう?」と不思議でした。
ウエイトレスも駅の人も、なんか明るくてのんびり。
その理由には、案外「怒らない、怒られない国民性」
というのも関係してるかもしれないですねー。

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