海外のインターナショナル・スクールに入れると、
子どもは自動的に英語ができるようになるのでしょうか?
こんな質問をときどきいただきます。
滞在9年でいろんなお子さんを見てきましたが、
個人差がかなりあります。
1年半ほどで英語力ゼロから英検準1級に合格したお子さんがいます。
一方で、滞在2年で、いまだに英語補修クラスにいて、
簡単な会話しかできないお子さんもいます。
じつは、同じように海外で生活していても、
・普段から外国人の友達と一緒に行動している子
・授業は良く聞くけど、友達はみな日本人の子
では、会話能力がぜんぜん違います。
できる子には共通点があります。
読書でいえば、いつも英語の本を読んでる子とそうでない子には
読書能力に圧倒的な差がついてます。
ちなみに学校の成績に結びつくのは会話よりも読書ですね。
これ日本語も同じですね。
身も蓋もないようですが、結局のところ、読んだり書いたり話したりした「かけた時間」分、
差がでるって感じです。
小学生でも大人も変わらないです。
小学生留学のメリットはコンテンツに触れる世界が広がること
小学生で留学するメリットはいくつかありますが、うち1つは、外国語コンテンツに触れる(知る)機会が圧倒的に増えること」かもしれません。
そのコンテンツは、ゲームかもしれないし、 Youtubeかもしれません。そしてたいていの場合友達からもたらされます。子どもは大いに友達から影響を受けるのです。そして「ハマる」ことで夢中になっていき、伸びる循環がやってきます。
一方、マレーシアの学校にいても、いつも日本人の友達といて、日本語の漫画を読み、アニメを見る環境では、いくら授業を毎日聞いても、なかなか英語ができるようになりません。日本のコンテンツは本当に面白いらしく、現地の子もはまってしまうくらいなんです。(日本語を保持するためにはいいアイデアかもしれませんね!)
そしてそれはほとんど友達からもたらされます。
ですから、現地にいることの大きなメリットは「友達ができること」だと思います。
学校の授業や「教科書」に夢中になるお子さんは、なかなか少ないですよ……。
親の仕事は自分が楽しむ姿を見せること
だからといって、「外国人の友達作りなさい!」
「本読みなさい!」と親がはっぱをかけてもなかなか、うまくいかないんです。
逆効果になり英語大嫌いになることもあります。
「だっておかーさん勉強してないじゃん……」
子供はその欺瞞に気づいてしまう。
ではどうするか?
以前子供がいた学校の例です。
教室の隅っこにインド人の先生が本棚を置きました。
授業で課題が早く終わった子は勝手に読んでいいというルール。
まずはできる子供たちが先を争って読むようになりました。
すると休み時間にも続きを読みたい子が増え、本が取り合いになる事態に。
面白い本ばかり置いてあるので、続きが気になっちゃうんですよ。
その争奪戦ぶりが強烈で、課題を無理やり早く終わらせたり、
休み時間に本を隠してしまう子まで現れる始末。
ついにはたで見ていた子供たちも、「面白いらしい」と気がついたようです。
我が子も俄然影響を受けまして、
「あの本を買って〜」と言いだし、英語でも本を読むようになりました。
先生の策略にすっかりハマっちゃったんですね。
これは一例ですが、さすがにベテランの先生だなーと思いました。
大人ができることは、自分も英語を学んで「楽しんでいる姿を見せること」。
これくらいしかないのかなと思います。